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え? 食いに来てくれたって……と、辰実はお好み焼き屋を見た。
「ここってもしや……」
思わず疑問を口にする。
「ここ、ヒロの家だよ」
瑛一が片目をつむって答え、ヒロの方に向き直り続けた。
「ヒロ、タツが明日からバイトしてくれるって」
瑛一の言葉にヒロの顔がパッと明るくなった。
「マジで? いやぁ困ってたから助かったよ。俺も部活を本格的にやり始めるし」
ヒロは人の良さそうな顔で笑う。
言われてみれば顔も先ほどの夫婦にどことなく似ている。
「サンキュー!」
とヒロは瑛一とハグし、続いて辰実ともハグしようとしてきたが、辰実は反射的にサッとよけた。
胸が当たったらばれるかも、と辰実は懸念した。
ふくらみを隠すためにコルセットのような厚手の生地を胸に巻いているが、ばれたら厄介だ。
「つれないなぁ」
避けられたヒロは、また明日な! と手を上げて、家に入っていった。
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