お好み焼き

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   空にはほぼ満月の月と、星がちらほら見える。 「さ! 俺らも帰りますか」  瑛一が一足先に歩きだした。  その後を小走りに駆けて瑛一の横に辰実が並ぶ。  瑛一は正面を見たまま、 「お好み焼きうまかった?」  と聞いた。 「え? うん」  辰実が答えると、瑛一は続ける。 「ヒロの家だったら働きやすいよな。俺もしょっちゅう行ってるし。……タツは人見知りっぽいから少しでも知り合い多いほうが働きやすいでしょ?」  ね? と言った感じで、瑛一は辰実の顔を覗き込んできた。  そう言ってくれた瑛一の言葉が、辰実にはすごく嬉しかった。  顔に血が上って赤くなったのが分かる。  女ということもあり、なかなか二人以外のクラスの男の子に打ち解けれてないのを見てくれていたんだなと感じて。  辰実は目にじわっと来たが瑛一にばれないように拭った。
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