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「大丈夫か!?」
瑛一は、やっとの事で陸に上がり、女の子を砂浜に寝かせて顔をパシパシと叩いた。
女の子は顔を歪ませ、虚ろな目を開ける。
「よかった……生きてて……」
瑛一は肩で息をし、安堵の息を吐く。
「ここは……?」
女の子は、まだもうろうとした頭で、自分を助けてくれたのであろう男の子の顔を見た。
「……場所はわからないけど海で溺れてたから助けた」
砂浜でずぶ濡れになりながら話す二人。
瑛一の髪からポタポタと滴がたれた。
「……怖かった。ありがとう」
絞りだすような声で女の子がいうと、目から大粒の涙がこぼれ落ちる。
「もう大丈夫だよ」
瑛一は震える女の子の頭を撫でてあげた。
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