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「ギリギリだな。めずらしいねタツ」
寝坊の原因である瑛一が歯を見せて笑う。
「間に合わないかと思った」
ヒロは既に教科書を広げていて、勉強体制バッチリだ。
「ねぼう……しちゃった」
久しぶりのダッシュは、膝がガクガクする。
体は熱く、全身びっしょりとかいた汗をタオルで拭き、ブレザーを脱ごうとボタンに手を掛けたときに、辰実は異変に気付いた。
……胸を隠す用のコルセットを付けてくるの忘れた! と、後悔するのも遅く、チャイムが鳴り始める。
さっきまでとは違う汗をかきはじめた辰実には誰も気付いていなかった。
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