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自分の席に着いてからも、辰実のドキドキは止まらない。
思わず顔もにやけてしまっていた。
『瑛一(エイイチ)は私のことを覚えてるかな……』
辰実は三年前の記憶を思い出す。
自分が一番辛かった時に助けてくれた瑛一。
そしてやさしいキス――。
まぁ、瑛一が覚えていたとしても男の子の格好をしてる限り三年前の女の子が自分だとは気付かれないだろう。
そう思うと、辰実は何やら悲しくなってきた。
資格をあきらめて違う高校に入学しようかな。
……いや、ダメだ。せっかく一生懸命勉強して入学したのに意味無いよね。
なんて一人つっこみしつつ、机の上に組んだ手を見ながらアレコレ考えていると、ポンと肩をたたかれた。
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