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「マホロの子?何のことですか?」
未来は首をかしげた。
おおばば様は長い白髪を肩ぐらいで、ゆったりと結び、雰囲気もゆったりとしていた。
しかも、老いているとはゆえおおばば様はとても美しかった。顔には皺もあり、若々しさはないのだが、若さとはべつの年を経る事で得る美しさがあった。
「マホロとは、わしらの名。魔法使いの事を昔の言葉でマホロと言うのじゃ。そして、そなたらは子供じゃからマホロの子」
おおばば様はそう言うと、憂いに満ちた表情になった。
「言っておくが、わしらはそなたの味方じゃ。だからこそ、そなたらの命を一番と考えると、無理矢理連れて来るほかなかったが、怖がらせてしまっただろう。怒っておる者もおるじゃろうな。
言い訳にしか聞こえないかもしれんが、あそこには悪魔が居た。あのままそなたらがあそこに居れば、そなたの命はなかっただろう。
いや、やはり言い訳じゃな………本当にすまなかった」
おおばば様は頭を下げた。
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