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おおばば様は微笑んだ。
「元気がいいの。さて、リレン以外の者は帰ってよろしい」
「「「はっ!」」」
魔法使い達はさっと左目を右手で隠し、頭を下げた。そして、さっとマントをひるがえすと消えてしまった。
「「「消えた!」」」
未来達が驚きの声を上げた。
「瞬間移動の魔法じゃよ。そう難しい魔法ではない。そなたらも訓練すれば出来るようになる」
おおばば様は未来達の反応を面白がっているようだ。
「さて、皆ついてまいれ、そなたらが住む所に案内する」
そう言うと、おおばば様は歩きだした。
「さぁ、歩いた歩いた!みんな離れてちゃダメよ」
リレンは、未来達を追い立てる様に未来たちの後ろに回った。
「私達が住む所ってどんなとこかなぁ?きれいかな、広いかな?」
未来は不安を押し隠す為に、わざと明るく振る舞った。
そんな未来を、沙也加は少しあきれ顔で見ている。
「よくそんな呑気でいられるね。怖くないの?」
「うーん、どうだろう?」
「どうだろって。怪しすぎるでしょ!マホロとか訳わかんないし!」
誤魔化す様に笑いながら、未来は沙也加に向き直った。
「私、リレンさん信じてるから」
「なんで?」
沙也加は眉を潜めた。
「何となくだけど、リレンさんは私に親切だったから?」
それに必死だった。未来は心の中で言葉を続けた。
「あんた、絶対詐欺に引っ掛かるわ」
沙也加の言葉に、未来は困ったような笑顔を浮かべた。
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