扉の間

2/5
710人が本棚に入れています
本棚に追加
/255ページ
おおばば様は、扉が無数に並んでいる場所に未来たちを連れて来た。扉はホテルのように向かいあって、ひたすら平行に並んでいる。あまりに長く続いている為、先の方は霞んで見えない。 見上げれば空が見えるのに、無数の扉が続いている。それは奇妙な景色だった。 驚いている未来たちに、おおばば様は微笑み掛けた。 「ここは扉の間じゃ。壁は見えんが、扉を開ければ部屋がある。これも全て魔法によって造られた物。因みに、この扉の間は見習い魔法使いの間。試験に受かればほかに移ってもらう。それまでは皆ここに寝泊りし、生活する。各自の部屋は既に決まっておる。さぁ、一人一人案内する前に部屋を一つ見てみようかの」 おおばば様は一つの扉を開けた。 部屋は予想以上に広かった。風呂、トイレ、寝室にリビング。その他にも、書庫や、何もない広い部屋もあった。部屋は、普通の一般家庭の家より広い。 どう考えても、外から見た扉と扉の間隔と部屋の広さが合わない。扉と扉の間隔は、大体二メートルほどしかないのだ。 どうなっているのかと考えていると、香芝が声を上げた。 「なあ、部屋の大きさが扉の間と合わねぇんだけど、これも魔法か?」 「えぇ、空間を拡げているの。望むなら、もっと広くする事が出来るわ」 リレンが答えてくれた。
/255ページ

最初のコメントを投稿しよう!