710人が本棚に入れています
本棚に追加
「先に言っておきますが、この世界の時間はの流れはあなた方の世界とは違います。この世界の一年は、あなた方の世界の約一時間になりますから、大体、三時間程度居なくなるということになりますね」
アリユはみんなを見回した。
「三時間か、学校始まってるなぁ」
未来が呟いた。
「大丈夫ですよ。魔法で作り出した幻影を、あなた方の代わりに学校に行かせています。肉体もありますし、簡単な受け答えなら出来ます。いつもより静かだなと思われるぐらいで、居ないことに気付かれることはありません」
「はい!」
未来と同じクラスの火野が手を挙げた。
「本当にバレないんですか?」
「ええ、今までたくさんの方がこの魔法を使っていますが、バレた人はいませんよ」
アリユは微笑んでいたが、その笑顔に説得力はなかった。
「さて、まずは時間のことを詳しく説明しましょうか」
二十人の疑いの目に気付かないのか、アリユは笑顔を絶さなかった。
最初のコメントを投稿しよう!