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「なにやってんのよ」
そう言ってエミリは並びに行こうとするオレを引き止める。
「ん?だって入る為には並ばなきゃいけないだろ?」
エミリは人差し指を小さく振って
「ちっちっち…早速これの力を見せる時が来たようね」
そう言って人差し指を振るのを止めてさっきのパスポートを出した。
「なんだよこれがあれば並ばなくても入れますよ!的な事言うなよ。世の中そんな甘い話しないんだからな」
「そんな甘い話しがあるわよ!!」
エミリはそう言うとオレの手をぐいぐいと引っ張って他の人が並んでる横を歩いて行き、係員の人を見つけると。
「すみません…入らせてもらえますか?」
と係員の人に言いながらさっきのパスポートを見せた。そうすると係員の人は目の色を変えて
「は、はい。それではこちらにどうぞ」
そう言って塞いでいる入り口を開けてオレ達を園内に入れてくれた。
「嘘だろ?!どんなチートだよ!?」
「これの威力みた?」
「おぉ、もの凄いチートだな?今度はちゃんと並んで入ろうな?めんどくさいけどさ」
「なんでよ、早く入れたんだからいいじゃない」
「なんか悪いじゃん並んでる人にさ…オレ達だけがこんな特別扱いじゃ、だから……」
オレはそう言ってエミリが持ってるパスポートを取り上げた。
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