真のバンドとは

3/12
前へ
/15ページ
次へ
彼女は言った。 『私、バンドで上を目指したいって言ったじゃないですか…。でもそれって叶わなくたっていいんです。同じ目標があったらみんなで頑張れるし、技術も向上すると思うし。』 彼女の言うことには説得力があり、希望に満ち溢れていた。彼女は俺とほぼ変わらない年で自分のやりたい事を見つけていた。俺はこの女性にどこか惹かれていた。 『あっ! 私、響 静音(ひびき しずね)といいます。』 名を名乗った彼女はベーシストなら今週中に何とかなると言った。 電話番号を教えてもらい、また連絡すると言って笑顔で帰って行った。 俺はこの時から本気でバンドをやる覚悟を決めた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加