~裏の何でも屋~

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鈍い音が響く。 「いてて」 蒼は平然と鉄パイプで殴られた所を手でさすった。驚いたのは相手だった。脳天への鉄パイプの一撃で終わらない人を見たのは初めてだったから。蒼は呆然と鉄パイプと蒼の頭を見比べているリーダーの手を掴み一本背負いした。 男は受け身を取れずに背中の痛みにむせ込む。 「僕の勝ちですかね」 場の野次が消えた。一人がバイクを蒸かしそれに皆が続く。明らかな敵意を剥き出しにして蒼を襲おうとしている。 はは……どうしよう…… それより先に動き出す者があった。リーダーが鉄パイプを捨てポケットからナイフを取り出し蒼に向かって来た。 蒼は右手の手の平でそれを受け止めた。金属音がし誰もがナイフが刺さったと思ったがナイフの折れた刃が地面に刺さった。リーダーがまたもや目を見張った瞬間蒼の左のボディーブローが腹にめり込みそのまま倒れた。
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