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「私が説明しましょう」
病室の入口にウェイター姿のままの刈部さんが立っていた。
刈部さんの説明によるとXC-2557の改良型のXC-3236に感染したクローン人間は直ぐにSPに射殺されその後は何事も無かったかのようにパーティーは再開されたという。しかし蒼を含め少なからずの人が不調を訴え病院に搬送された。蒼が倒れたのを刈部さんが雇主になんとか誤魔化してくれたこと。
刈部さんはパーティーが終わり蒼の尋常ではない様子を心配して見に来たということ。
蒼は自分のせいで仕事の邪魔をしてしまったので謝る。
「すみませんでした」
「いやいや若い内は色々人に迷惑をかけた方がいいんですよ。けどこれだけは覚えておいて下さい。一瞬の油断は命取りになります。判断は出来るだけ早く。いざとなったら仲間を殺す覚悟も必要です。まあまだ若いですからゆっくり身につけていきましょう」
未熟な若輩者にも大らかに諭す態度。さすが《黒神》の二番手と称されるだけがある。器が違う。
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