3735人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうそうこれを届けにきたのです」
差し出された刈部の手には蒼の携帯が握られていた。蒼は恐縮しながらそれを受け取る。
「有り難うございます」
「私が報告をしたところ絢音殿が蒼殿からの連絡を待っているとの事でした。では私はこれで」
最後に刈部が「彼女を大事になされよ、蒼殿の事を心から心配してましたよ」と捨て台詞を放ち出ていった。
瑠璃から何か反論があると思ったが何もない。それどころか瑠璃は居なかった。
あれ?何処行ったんだ?
病室の扉が勢いよく開き病院内にあるコンビニの袋を提げた瑠璃が入ってきた。そして渡される蒼の財布。
「何で俺の財布を」
「いーではないか。それに心配したら腹が減ったんだ」
そう言いながら机に袋の中身を出す。五個あったのだが全てデザートだった。
最初のコメントを投稿しよう!