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スプーンの袋を破り大好きなプリンを美味しそうに頬張る。蒼が呆れた目で見てたのを何を勘違いしたのか。
「欲しいのか?」
「いや、いらない」
今はそれよりどうやって絢音による減給を逃れるのかを考える事の方が重要だ。
瑠璃の他愛のない話に適当に相づちを打ちながら考えること数分。瑠璃が驚異的な速さでデザートを食べ、最後のゼリーを手に取る。蒼は残念ながら何も思いつかなかった。蒼は腹を決め電話をかける。
呼び出し音が二回なり絢音が出た。
「あ~蒼です。え~と今回はすみませんでした」
「そう」
絢音の素っ気ない返事。
「あのおとがめは?」
「何?欲しいの?」
「いえ!ただ…」
「今回は貴方を葛城コンツェルンの仕事に着かせた私のミス。まさかXC-3236を御披露目するとは思ってなかったの」
蒼はこの言葉に引っ掛かりを感じた。
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