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「どういう事ですか?絢音さんは知ってたんですか?」
絢音が息を飲むのが分かる。自分の失言に気付いたのだ。少しの沈黙の後絢音の口が開く。
「…そうよ」
「じゃーどうして黙ってたんですか!?」
無意識の内に語気が荒くなる。
「私達の最大の顧客は葛城コンツェルンなの。それに相手は日本でも五本の指に入る大企業。私達が手を出せば逆に潰されるわ」
「絢音さんの言いたい事は解ります。でも…でも…」
「これ以上貴方が葛城コンツェルンに関わる事は禁止にするわ。もし貴方が葛城コンツェルンを襲撃したら貴方を殺しに行くのは私達かもしれないわ。それだけはしたくないの。貴方の気持ちも分かるわ。私もまだ乖が死んだ事が哀しいのよ。分かって」
「あの…閃義さんはこの事…」
「ええ知ってるわ」
皆で俺を騙してたんだ…
「…解りました。今回の仕事は失敗してすみませんでした。では」
蒼は電話を耳から離し見つめた後静かにボタンを押して電話を切った。
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