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受付に場所を聞き病室に向かう。
集中治療室に乖はいた。
そこには父が心配そうな顔で待っていて、閃義も壁にもたれ掛かって思案していた。
乖は苦しそうに呻いている。横にある心電図を見るととても動悸が激しい事が分かる。額は汗ばんでいた。
医者が脈拍を測ったり点滴を調整している。
「そんな…兄ちゃん…」
「乖はどうなんですか!?」
母の問いに医者が答える。
「原因が解りません。新種のウィルスの可能性があります。なので私には安定剤や痛み止などを与えるしか出来ないのです。後は患者の頑張り次第です」
「でも、何があったんですか!?」
閃義が事の経緯を静かに話し出した。
「俺達は今日、麻薬密売組織を潰しに行ったんだ…
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