メール6

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ぞわぞわと全身に悪寒が走り鳥肌が立つ。 後ろに何かいる。 背中に触れたそれは、服越しにも冷たさを伝えてきた。 何が後ろにいるのかはおおよそ検討がつく。 だからこそ振り向きたくないし、振り向いたらいけない。 しかしこのままでもいけない。 それから離れる為にゆっくりと一歩、足を前に踏み出した。 がしっ。 後ろのそれに右手を思い切り掴まれた。 「っ・・・・。」 体は一瞬にして硬直してしまった。 ぐいっ。 掴まれた右手が後ろに引っ張られる。 ぐいっ。 引っ張る力が更に強くなる。 このままだとまずい。 大きく息を吸い込み、動かない体に必死に力を入れるが、それでも容赦なく右手は引っ張られる。 くそっ。 くそっ。 必死の抵抗も虚しく、じりじりと体が方向を変えていく。 「ふぅ。ふぅ。」 腹の底から気持ち悪さが上ってくる。 こうなったら一か八か。 それが視界に入り込んでくる前に思い切り後ろ蹴りを放った。 「えっ?」 しかし蹴りは何にも当たる事なく空を切った。
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