メール6

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掴まれていた右腕にはくっきりと赤く手の跡が付いていた。 足元にある白い腕はぴくりとも動かない。 部屋が静寂に包まれていく。 次に何が起こるか分からないので、全神経を研ぎ澄ましいつでも動けるような態勢をとる。 来るなら来い。 「くすっ。」 耳元で囁くように後ろから笑い声が聞こえた。 「誰だ!?」 寒気を振り払うように勢いよく後ろを振り向いたが誰もいない。 「気のせいか?」 「くすっ。」 再び聞こえた笑い声に、条件反射の如く後ろを振り返るがまたしても誰もいない。 苛立ちが募る。 「なんだよっ!!出るならさっさと出てこいよっ!!」 大声で喚き散らすが、虚しく部屋の壁に吸い込まれていく。 「くすっ。こっちだよ。」 素早く辺りを見回すが誰もいない。 「くすくすっ。くすくすっ。あははっ。ぎゃっぎゃっ。」 不気味な笑い声が部屋を埋め尽くしていく。 「あ―っ!!やめろっ!!笑うなっ!!」 あまりの気持ち悪さに気がふれそうだ。 「くすっ。コッチダヨ。」
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