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「うっ。」
腹辺りにぞわりと何かがうごめく感触がある。
「ハヤク。コッチダヨ。」
「うあ・・・・あ・・・・。」
いる。
服の中に確実にいる。
「ヒヒッ。ヒヒヒッ。」
ずるっ。
ずるっ。
じわじわと上に上ってくる。
「来るな。来るな・・・・・。」
「ワタシカライクネ。」
「やだっ・・・・やだっ・・・・・嫌だっ。」
ずるうっ。
「キチャッタ。」
目の前には青白く所々が黒くくすんだ知香の顔。
にちゃあ。
「アイタカッタヨ。修平。」
生温かい吐息が顔にべっとりと絡み付く。
「ひっひっ・・・・・ひぃやあああああああああああ!!」
どたんどたん。
暴れた。
一心不乱に暴れまくった。
体を振り回し、壁にぶつかり、とにかくあいつがどこかに行くまで。
・・・・。
「はあ。はあ。」
胸元からあいつは消えた。
「助かったのか?」
べちゃ。
「逃げちゃやだよ。修平。」
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