メール6

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「うっ。」 腹辺りにぞわりと何かがうごめく感触がある。 「ハヤク。コッチダヨ。」 「うあ・・・・あ・・・・。」 いる。 服の中に確実にいる。 「ヒヒッ。ヒヒヒッ。」 ずるっ。 ずるっ。 じわじわと上に上ってくる。 「来るな。来るな・・・・・。」 「ワタシカライクネ。」 「やだっ・・・・やだっ・・・・・嫌だっ。」 ずるうっ。 「キチャッタ。」 目の前には青白く所々が黒くくすんだ知香の顔。 にちゃあ。 「アイタカッタヨ。修平。」 生温かい吐息が顔にべっとりと絡み付く。 「ひっひっ・・・・・ひぃやあああああああああああ!!」 どたんどたん。 暴れた。 一心不乱に暴れまくった。 体を振り回し、壁にぶつかり、とにかくあいつがどこかに行くまで。 ・・・・。 「はあ。はあ。」 胸元からあいつは消えた。 「助かったのか?」 べちゃ。 「逃げちゃやだよ。修平。」
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