メール6

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背中に冷たい感触が広がっていく。 無理だ。 これ以上は無理だ。 一回部屋から出ないと。 ぐるりと向きを変え、一気にドアに向かっていく。 「ウフフ。ニガサナイヨ?」 首筋にずるっと巻き付いてきた。 ぎゅち。 「うっ。」 鈍い音とともに一気に首が締め上げられる。 「かはっ。あっ。」 そんなのありかよ? ぎゅち。 さらに首を締める力が強くなっていく。 ドアまであと数歩のところで力が抜け、床に思い切り倒れ込んだ。 チャンスは2回あるんじゃないのか? なんでだよ? 死にたくないよ。 ゆっくりと意識が遠退いていく。 「・・・・・くそっ。」 ぼきっ。 何かが折れる鈍い音とともに、目の前を暗闇が包み込んでいった。
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