出口のない闇

6/7
前へ
/119ページ
次へ
・・・・。 そうだ。 そうだ。 俺は知香に後頭部を殴られたんだ。 でもどうやって? 知香はばらばらにして川に捨てたはず。 ありえない。 「修平?大丈夫なの?まだ意識が戻ったばかりだし、寝てなさい。」 「ん?ああ、わかった。」 「とりあえず先生を呼んでくるわね。」 そう言うと母さんは病室から出て行った。 ずきん。 頭に鈍い痛みがある。 殴られたのは本当みたいだ。 でもどうやって? 考えようとしても少し意識のピントがずれている感じがする。 「はぁ。」 しかし、意識がない間、なんて嫌な夢を見ていたんだろう。 知香を殺した罪悪感から生じた夢なのだろうか? そういえばアパートの小百合の死体はどうなったんだろう? もう警察に見つかっているのかな? でも母さんは何も言ってなかった。 「わからない。」 何もかもわからなかった。 とりあえず今は全て忘れて寝よう。 そっと目を閉じた。
/119ページ

最初のコメントを投稿しよう!

931人が本棚に入れています
本棚に追加