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『キヒヒ。目、覚めたんだね。夢の中でしか会えないから寂しかったよ。』
「ひっ!!」
頭の中に直接響くように知香の声が聞こえた。
目を開き、視線を感じるドアの方に目を向けると、隙間から覗くようにして青白い知香の顔があった。
「う・・・・あ・・・・。」
咄嗟に起き上がろうとしたが体が動かない。
次の瞬間、知香の顔は一気に枕元まで近寄ってきた。
「ひっ。ひっ。」
生温かい空気が耳に触れる。
『キヒ、キヒヒ。許さない。許さない。』
助けて。
助けて。
助けて。
母さん、早く戻ってきてよ。
『ヒヒッ。これからゆっくりと・・・・コロシテアゲル・・・・・・。』
「あああああああああああああああああああああああっ!!」
出口のない闇は終わらない。
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