始まり

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「ああ、今日も疲れたな。」 星の見えない夜空を見上げて呟いた。 大学2年の修平は授業とサークル、バイトに忙しい日々を送っていた。 バイトが終わるのはいつも夜の12時過ぎ。 そこから歩いて一人暮らしのアパートまで帰る。 自転車は持っているのだが、バイト先までは近いので歩いて行っていた。 いつものように途中コンビニに寄り、サンドイッチと飲み物を買う。 いつものようにやる気のない店員と、特に目を合わせることもなくコンビニを出た。 そして、いつものようにだらだらとアパートの階段を上がり、鍵を取り出して鍵穴に差し込む。 ガチャ。 「ただいま。」 誰もいないのだが、いつからか「ただいま」と言うのが癖になっていた。 部屋の電気とテレビをつけベッドに座った。 「そろそろ洗濯物たたまないとな。」 テレビの前に洗濯物がけだるそうに積まれている。 そう思いつつもめんどくさいのであまりたたむ気もない。 「とりあえず風呂に入るか。」
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