始まりの嵐

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雨が恐怖を強くした 布団の中でくるまる蛹 ピーンポーン…… 無機質な音が辺りに広がった 「……誰だよ……」 部屋の扉を開け、玄関に向かう こんな嵐の日に来る客など普通はいない 外は風で木が曲がりまともに立っていられない ピーンポーン… しつこい 「はいはい……」 玄関の鍵を開ける ガチャ… 「どちら様で……」 バンッ! 蛹が言い終わる前に扉が全開になる そこには ナイフを持った男がいた 「金を出せ…」 男は荒れた口調で言う 顔はまさに凶悪そうでドラマに出てくる暴力団のようだった 「………………」 蛹は恐怖で言葉が出ない 「はやく金を出せ!」
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