ニチェ、8歳

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パパは力が強すぎるからか、歳を取らずに500年くらい生きている。 自分でも、こんなに生きることになるとは思ってもいなかったらしく、ママの話では、兄弟や子ども、孫が、自分よりも先に年老いて死んでいく度に、ものすごく落ち込んだはずだって言った。 パパが一番初めに落ち込んだ別れは、ママとの死別…あ、ママは今、30歳だけど、前世でパパの一番初めの奥さんだったらしい。 今では「女神アマリア」なんて呼ばれて肖像画になってしまっている人がママ。 そのママがアマリアだった頃に、38歳で変な病気にかかって死んでしまった時、パパはすごく落ち込んだみたい。 だから、生まれ変わったママと結婚を決めるまで、大変だったんだって。 なぜって、パパの気持ちの整理がなかなかつかなかったから。 だって、ママが悪い。って私は思う。 ママ、亡くなる直前、若くで自分が死んでしまうから、パパが新しい人生を歩きやすいようにって、当時の3番目の子どもだったアイ姫にパパ宛ての手紙を託した。 その手紙は、パパに気になる女性が現れた時に渡すようになっていて、内容はパパを見事にフッた文章だったんだって。
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