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そんな時は、私はパパに心で話しかける。
ママがそうすれば?って教えてくれたから。
パパ、外に出たいのね。
広い場所でのびのび歩きたいんだね。
私はそうやってパパを静かに見ることにしているの。
でもね、弟や妹たちは全くおかまいなしで、すぐにパパに飛び付いていっちゃう!
全く!
あの子たちにはデリカシーとか、ないのかしら!
ママに、パパをそっとしておいてあげられないのかなあって言ったら、ママは笑って、パパはね、あれでもいいの、嬉しいのよって言ったの。
うーん…私にはよく分からない。
弟たちがパパに飛び付いていくと、パパは決まって私も手招きするの。
私はコドモじゃないからパパに飛び付いたりなんてことはしないけど、パパの右側は私の場所って決めてるから、その場所には行かせてもらうの。
アンタどきなさい!そこは私の場所よ!
パパは、もし外に出られたら、きっと何かお仕事がしたいんだろうなあ…って思う。
だってパパは、自分が塔にこもったままで何もしていないって思っているから。
してないわけじゃない。
他の誰にもできないくらい完璧に楽園を維持しているのよ?
すごい仕事じゃない。
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