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そうは言っても、パパはたまにコッソリ塔を抜け出すこともあるの。
見つかったら大変なことになるんだけど、夜時間に誰もいない湖に行って、締め付けられている気持ちを少しだけほどいてくるの。
そうすればパパは、しばらくは元気になるの。
王位を継承したころは、パパはおかまいなしで外出してたんだって。
もちろん許可なんて下りてなかったんだけど、黙って出歩いていたらしいの。
パパには双子の弟がいたから、その人が身代わりで塔に残ってバレないようにしたり、いろいろしてたみたい。
あ、これもママに聞いたの。
パパは、双子の弟だったアーダイルの話をすると、とても寂しそうな顔をする。
そのくらい、アーダイルはパパにとって大切な人だったらしい。
ママは、パパとアーダイルは一緒にいて当たり前みたいな、パパの分身のような人だったって言った。
だから、アーダイルのことを話すと、体半分を無くしたみたいな気持ちになるんだろうって。
だからパパの前ではアーダイルの名前は出さないように気を付けなくちゃ!
今、パパは事情が変わって、そのころのような無茶はできなくなったんだって。
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