屋上

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カチッ スー フー 吹き出された灰色の煙は。 まるでうち自身を表したようで。 嫌いやった。 「やめたいやけどなぁ。」 まだ高校一年生のあたしには法律違犯のタバコ。 セッターと呼ばれるものでけっこうきつい。 嫌がる高校生が多いがうちは大好き。 「昼休みに屋上でタバコなんてずいぶん正々堂々しとるやん自分。」 「!?」 人おったん!? 気ぃつかへんかったわ。 「俺はここにおるよ。自分の下や。パンツ丸見えやで?」 「っ。最低や。」 なんやこいつ。 「やっと顔見えた。自分あれやろ。先生なかせの一年生やろ。」 うっ。 うち有名なんや。 「・・・やったらなんよ。」 「はじめまして。俺が自分の世話係の仲間優や。よろしゅうな?ちなみに三年生で風紀委員長やで?」 「世話係てなんよ。うちにはそんなんいらへん。」 「担任に頼まれてんしゃあないやろ。はよ降りて来ぃ。」 うっ。 ちょっとかっこええやんか。 なんか悔しいなぁ。 「うちは一人で大丈夫言うて。」 「嫌や。俺がしたいんやもん。」 「はぁ?」 意味わからんし。 ホンマなんやこいつ。 「俺自分が好きなんや。山中有紀ちゃん?」 うちを好き? うわ~ありえへん。 どんな嘘つくねん。 「とにかくうちはいらんから。帰る。」 帰って未来や美咲と話そ。 「ちょお待ってや。」 「しつこいなぁ。いらんから。うちのコトほっといて」 チュッ 「・・・話ぐらい聞いてくれへんかな?」 今うち・・・。 キスされへんかった・・・?
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