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…―――
耳元で規則的な電子音が鳴り響く
浮上してきた意識に、うっすらと目を開けると
視界の端にアラームに震える携帯電話
頭の直ぐ横で震えるそれを手探りで止めると
布団に入り込んできた冷たい空気から逃れるように寝返りをうつ
「寒…」
真冬の布団の中で、当たり前のことを呟いてみる
布団が再び温まるまで、この寒さは消えない
枕元の窓の外を見れば、一面真っ白な雪景色
寒いはずだと
ひとつ溜め息
「ん…、つ…き?」
窓の外を眺めていると、隣で丸くなっていた温もりが擦り寄ってきた
目を遣れば、私の顔を見上げる
寝ぼけ眼の愛しい恋人
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