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「うはぁあ気持ちいいーっ」
屋上のドアを開き、良平が伸びをした。シャツが上がり、下のシャツと地肌が覗いた。
ついでに言うと、下着の端も。なんだかドキッとした。
「ははっお腹見えてるよ」
跳ねる心臓を抑えながら、なるべく平静を装い良平のお腹を軽くつついた。
そしたら、予想だにしない反応。
「ひゃっっ」
変な声と共に、すばやく体を折り曲げる良平。
頬を膨らまして、良平があたしを不満げに見つめる。
ん?もしかして……。
気付くと、途端に意地悪心に火が着くのが、あたし。弱点を見つけて、攻めない訳がないやん!
両手をワキワキ気持ち悪く動かしながら、良平に詰め寄った。
「な、何する気や!!」
「んー?なんやろね」
そう言いながらも、更に距離を詰めると、良平はお腹を守りながら後ずさった。
かわいー!!!いじめたくなるッッ!
「おりゃーっ!!!」
掛け声と共に良平に襲いかかる。
脇腹、お腹、脇、首。至る所をこしょばしまくる。
「うひゃひゃひゃひゃやめっわぁああうわっははちょっみ、みいっ」
良平が立っていられなくなって、倒れる様に座り込んだ。それでもあたしは、手を止めない。
だって、楽しいもん!
地面を悶えて這い回る良平の上に覆いかぶさり、高らかに笑いながらこしょばし続ける。
いつもならあり得ない構図に、余計にテンションは上がる。
「ちょっみい!!!」
突然、良平があたしの手首を掴んだ。
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