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朝日が部屋に差し込む。ゆっくりと体を起こし、窓の外を眺める。
電線に雀が三羽。囀りが朝の住宅街にこだまする。
一週間……
もう一週間?
未だに夢から覚めるたびに、不安になる。
あれはあたしの妄想やったんちゃうかって。
枕元の携帯から、キューティーハニーが流れる。
電話や。
発信者を確認せず、慌てて通話ボタンを押す。
『みぃちゃん?』
心臓が早鐘を打つ。
頬が紅潮するのがわかる。
「おはよ、良平」
『おはよっ』
電話の相手は同じクラスの秋田良平。
あたしの彼氏。
一週間前から……。
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