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気持ちを落ち着かせながら、階段を降りる。
顔の熱を冷まさないと…。
洗面所に向かうと先客がいた。
「おはよ」
顔を上げ濡れた顔で、あたしそっくりな目がこっちを見る。
双子の姉、真亜。
「顔赤いけど、どしたん?」
タオルで顔を拭きながらも、目線はあたしから離さない。
好奇心でキラキラした目。
間違いない、おもしろがってる!!
「別に~」
あまり見られたくないから、
急いで洗面台に立ち真亜を押し退ける。
意外にもすんなりと場所を譲った。
けど、顔を拭き終わっても、洗面所から出ていかない。
あぁ、もう……見なくても分かるわ。
真亜はニヤニヤしてる。
あたしの顔が赤い理由を知ってる。
それをおもしろがってるんや!あほッッ!!
水で濡れているのに、顔の火照りは引かへん。寧ろ、益々熱くなる。
そして、トドメは真亜の次の一言。
その一言で、あたしの顔から火が出た。
いや、比喩とかじゃなく!!
絶対!ほんまに!!顔が火を噴いたの!!
水気が一気に蒸発したもん!
「良平君のモーニングコール?」
あぁ、声が笑ってる……。
悔しい、悔しいけど、あたしは何も言えない。これ以上言っても、ドツボにハマるだけやから。ここ一週間ずーっとこの調子。
あたしをからかって楽しんでる、悪魔な姉。
真亜のあほッッ!!
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