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「どこかに楽しいコト、転がってねぇかなぁ……」
ぼんやりとアスカは歩いていた。
見通しの悪い曲がり角。
少女漫画にあるような出会いでもあれば、少しは面白いのに……と馬鹿げた考えを思い付く。
「今時そんな人間いねぇっつーの……」
自分の考えに苦笑しながら、アスカは角を曲がろうとした。
ドンッ!!
「うわっ……!!」
「うにゃっ……」
べしょっと音がして、何かが倒れた。
「う───…痛いのです……」
幼い女の子が地面に倒れていた。
瞳には、うっすら涙が浮かんでいる。
「大丈夫か……?」
そっとアスカは手を差し延べる。
「さ…触るなですっ!!」
ペシッと女の子はアスカの手を振り払った。
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