出会い

3/12
前へ
/335ページ
次へ
「いってきます……」 誰もいない部屋で一人呟き、誰も起こさないように玄関のカギを開けた。 いってきます。 そう心でまた呟き家を出た。 まだ4月になったばかりなのでやや肌寒かった。 「まだ外は寒いな……何か着てくれば良かった……」 そんなことを一人で言いながら学校に着いた。 もともと学校に行くのが早い方なので、1時間も早くくると誰もいなかった 「まぁ、当然か」 そういって自分のお気に入りである桜の木の所に行き、近くにあったベンチに腰かけて桜を見ていた。 来る途中に買った缶コーヒーを手の上で転がしながら、ぼーっと桜を眺める。 それだけでうんざりするような状況からも解放される気がする。
/335ページ

最初のコメントを投稿しよう!

147人が本棚に入れています
本棚に追加