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「いってきます……」
誰もいない部屋で一人呟き、誰も起こさないように玄関のカギを開けた。
いってきます。
そう心でまた呟き家を出た。
まだ4月になったばかりなのでやや肌寒かった。
「まだ外は寒いな……何か着てくれば良かった……」
そんなことを一人で言いながら学校に着いた。
もともと学校に行くのが早い方なので、1時間も早くくると誰もいなかった
「まぁ、当然か」
そういって自分のお気に入りである桜の木の所に行き、近くにあったベンチに腰かけて桜を見ていた。
来る途中に買った缶コーヒーを手の上で転がしながら、ぼーっと桜を眺める。
それだけでうんざりするような状況からも解放される気がする。
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