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12月が始まったばかりというのに風が冷たく底冷えする寒さ…
男が、ビルの屋上に1人立っている。
15階建てのビルなので下を覗くと行き交う人々がかなり小さく見える。
吹く風もかなりきつく、屋上は下に比べかなり寒い…
「…愛美…ごめん」
-愛美…-
何度…呟いただろうか…何度…想っただろうか…
でも、愛美の姿は一向に見えない…
目の前に広がる真っ青な空も、鳥の優しい鳴き声も、朝を告げる太陽の匂いも、すべて感じない。
五感はすでに死んでいた。
恐怖はまったくない。
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