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「…今はそんな事をしてる場合では無いだろうに…」
遼は口で喋らず、心で思う。
もし口に出して喋ったら、それこそ油に水を注ぐような事だ。
「よう、こんな緊急事態に安っぽい喧嘩なんか出来るなぁ」
「!!?ちょっ…翼…!?」
遼はギョッとしながらも翼を制止するが、時既に遅し。
睨みあってた全日制と定時制の生徒らが一斉に翼を睨む。
「…あ?全日制生徒が何口ばしってんだよっ!!」
セリフからして定時制の生徒だろうか。
その生徒が今まさに翼に殴りかかろうとしている。
「翼君、危な…!!」
桃が叫ぶ---。
しかし
翼は放たれたパンチを
軽く受け止めると同時に腕を掴み、自身の身体を捻り
遠心力を利用しそのまま定時制生徒を地面に叩きつける。
背負い投げ。
ボクシング、柔道、空手と様々な格闘技をしている翼なら
最も相手にダメージを与える方法も出来た筈だが…
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