15人が本棚に入れています
本棚に追加
体育館の扉が一斉にバンバンと音を鳴らす---。
化けモノが体育館に侵入するのも時間の問題だろう。
しかし生徒らは突如の化けモノ出現に更に混乱する。
「落ち着きなさい!!!」
凛とした声、天貝先生である。
「もうこうなったら…これしか手段は無いわね…。」
天貝先生は哀しい、もしくは落胆した表情で話を続ける。
「この事態を解決する方法は一つ。
この全校生徒から一人だけ
化けモノを倒す術を持って貰うわ。
それならこの状況を打破できる…」
所々から歓声が上がる。
「しかし、その術を持ってしまったら二度と人間には戻れないわ…。」
体育館がピタリと静かになる。
「ここで誰かがやらないと全員死ぬだけ。」
天貝先生は冷たく、鋭く言う。
人間には戻れない?
それは能力的?
それは外形的?
それは心を失う事?
遼は考える。
しかし迷っている時間もあまり無い。
体育館の外には大量の化けモノ。
このままでは大切な人達が死ぬ。
そして決意する---。
最初のコメントを投稿しよう!