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「ふむ……。林原くんもご苦労」
林原 帝(ハヤシバラ ミカド)。これでも無欠や雪と同い年だ。
五人が会話をしている間にもネズミの化け物は破壊の限りをつくしている。
一刻の猶予もなかった。
「行くぞ、青城」
「は、はいっ!」
緊張感が一気に高まった。
紅矢と雪はこのハイテクスペースの隅にあった滑り台に飛び込んでいった。
「シャリオくん、二人が乗り込んだら発進させるのじゃ!マニュアル通りにやれば必ず上手くいくっ!」
「…はい………」
「林原くんは機体のチェックじゃ。決して目を離すなよ。異常が見つかればすぐに知らせるんじゃ」
「了解」
「さぁて、忙しくなるぞい」
雷蔵は内心少し楽しんでいるようだった。
「なっ、なんだっ!?」
雪の姿を探す無欠はまだ校舎内にいた。
そこで、かつて経験したこともないような揺れが彼を襲う。
とてもじゃないが、立っていられない。
揺れる視界の中、無欠の目には変形していく校舎が写った。
その校舎の中にいる無欠が無事で済むハズもなく、ヤバいと感じた時には、開いた床に吸い込まれてしまっていた。
シャリオ「………校舎の変形、完了…。プロテクションモードに移行……」
雷蔵は無言で頷く。
帝「プロテクションモードによる耐久値、現在78%。無事に出撃できるとシステムは判断しました。僕の承認も完了。後は、出撃の合図だけです」
ツバを飲み込む帝。
額には汗がにじみ出ていた。
雷蔵「よし……、キボウオウ、ミライオウ……出撃せよっ!!」
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