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「完全勝利ディオライノス、完全制覇ダイザード……か……」
薄暗い研究室で一人の老人がキーボードを慣れた手付きで叩いていた。
彼の名前は天文寺 雷蔵(テンモンジ ライゾウ)。ロボット工学のエキスパートで、科学をかじった人なら誰もが知っている有名人だ。
「人類は未知のパワーに頼りすぎておる……。せめて自分の身を守れるだけの力は必要なんじゃ……」
ディスプレイに、三機のロボットの設計図が写し出される。
「やはり、エンジンの出力が弱すぎるのぉ……。これではダメじゃ……」
天文寺博士はキーボードの操作をやめ、イスにもたれかかった。
「使えば使うほど、強くなるエンジン……。そんな夢みたいなモノは無いかのぉ……」
「ありますよ……」
突然に研究室に声が響いた。
「誰じゃ!?誰が入って来ていいと言った!!」
暗闇から男が現れる。
「これは失礼しました……」
ノア・ジーバルトだった。
彼はジーバルト星の王子で地球にムドの襲来を教えた人物だ。
「ふん!若僧が何の用じゃ…」
「あなたがムドに対抗できる力を開発していると聞いて、力になれればとはるばるやってきたのです」
その言葉を聞いた天文寺博士は急に暗い顔になる。
「完成まであと一歩なんじゃ……。じゃが……エンジンの部分がどうしても上手くいかん……」
ノアは一歩踏み出して、こう言った。
「ご心配なく。こんなエンジンはどうでしょうか?」
ポケットからCDを取り出すと、パソコンに入れた。すると中央の大きなディスプレイにある設計図が写し出された。
「こ……これは……」
「ジーバルト星が産み出した未完のエンジン……。ZENKAIエンジンです……」
「す、素晴らしい……。ZENKAIエンジン……」
「ジーバルト星では資源の量の関係で作れなかったモノです……。しかし、地球の豊富な資源なら……」
「ジーバルト星?と言うことは……君がノア・ジーバルトかの?」
「はい………」
「このエンジン……使わせてもらっていいのかの?」
「もちろんです!!地球を守る力はいくつあっても足りないんです……。遠慮せずに使ってください!」
「フフフ……。ありがたく使わせてもらうよ……」
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