穏やかな初夏

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   天気予報が梅雨入りを宣言した六月。  僕達は相変わらず三人でいたね。  小雨が降る中、僕達は傘をさして家とは逆方向へと歩いていた。  「藤宮、ゲーセン行かないか」  そんな護の言葉がきっかけ。  到着したのは、去年オープンしたアミューズメントパーク。  ボーリングやカラオケ、ゲームセンターなど何でも有りの施設。  ゲームに興味がない僕は、颯と護のプレイを後ろで見ているだけ。  護はある意味ゲーマーだから、上手いのは知っていたけど、颯も負けていない。  二人で格闘ゲームを対戦しているんだけど、ほぼ互角の勝負。  どちらかといえば、護の方が押されていた。  「くそっ。御子柴に負けた」  「田口、ジュース奢りな」  「仕方ないな。藤宮は?」  奢りついでに、僕にも奢ってくれるつもりらしい。  「僕はココアね」  だからしっかりリクエスト。  自動販売機に向かう護と颯を見送り、僕は近くのベンチに腰を下ろす。  「仲いいんじゃない」  自動販売機の前でジャレ合う二人に、自然と笑みが溢れる。  「藤宮、お待たせ」  自分のジュースと僕のジュースを手に、護が駆け寄ってくる。  いいのかな?  護が手にしているのってコーラなんだけど。  それに気づいているのか、颯が後ろで笑いを噛み殺している。  護からココアを受け取り、気づかれないように距離を取る。  「うわっ。冷てぇ~」
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