幻惑の夏

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       夏の陽射しに変わる七月。  僕達はある計画を思いついたよね。  気象庁が梅雨明けを宣言したのは、夏休みに入って二日が経過してからだった。  だからと言って何かが変わるわけでもなく、相変わらず、僕達は三人で集まっては遊びに行っている。  「なあ、キャンプしないか?」  ファーストフード店で涼んでいれば、いきなり颯が切り出す。  「面白そうだな。俺は賛成」  「美希は?」  「……したい」  キャンプなんて、中学校の時の林間学校以来だから、ワクワクしてしまう。  だけど僕達だけなんて、親が許してくれるかな?  「別に山に入ってするんじゃなくて、オートキャンプ場だし、心配しなくても大丈夫だよ」  僕の気持ちを見透かしたように、颯が教えてくれる。  「親に聞いてみなきゃいけないけど、行けるように頑張るよ」  家に帰ってから早速、母に相談。  キャンプと聞いて渋っていたけど、場所がオートキャンプ場だと知ると、あっさり許可が下りる。  母の気が変わらないうちに、僕は颯に電話をしてOKを告げた。  それから一週間後、僕達は、キャンプ場に来ていた。  まずはテントを張って場所の確保。  それが終わると、後は夕食の準備をするまで自由行動。  魚を釣りに行く颯と護を見送って、僕は一人で留守番。  荷物と一緒に持ってきたスケッチブックを取り出し、僕は景色を写していく。
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