始まりの春

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   そして担任の先生にも……。  その報告を終え、護の姿を探すけれど見つからない。  仕方なく仕舞ったばかりの携帯を取り出し、護に電話をかける。  そんな中で、僕は妙に浮いている人物を見つけてしまった。  彼も僕達のように合格発表を見に来たのだろう。  隣町にある中学校の制服を着ていたから。  それだけなら、僕だって気にも留めなかったよ。  ソイツは暫く掲示板を眺めた後、興味を失ったかのように、人だかりから離れる。  他の人達のように喜ぶでもなく、かといって落ち込む様子もなく、悠然と歩くその姿からは、彼が受かったのか落ちたのかは判断しにくい。  だから、気になってしまったんだ……。  それが君との出逢い  この時はまだ  君は僕の存在なんか  知らないと思っていたよ  
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