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今日の入学式は蒼馬と静馬の母親も一緒に行くので、今朝は悠姫が彼らの家に迎えに行く約束だった。
彼らの父親も悠姫の姿を見たがっているらしく、早めに顔を出すことになっている。
ビデオ撮影とかされるのだろうと思うと、悠姫は少し恥ずかしかった。
悠姫の両親が離婚してから、悠姫を写真やビデオにおさめるのは、専ら双子の父親の役割だった。
まるで霧生家の一員のように、悠姫は彼らのアルバムに登場する。
小学校の運動会で、必死に走ったのに見事にビリになったのも、しっかり撮影され今も残っている。
蒼馬と静馬の両親は、本当に、悠姫を実の娘のように扱ってくれるのだ。
悠姫の母もそれを嫌がることはまったくなく、それどころか自分も便乗して、双子の親戚のお姉さんみたいな顔をして世話になっていた。
美人で、可愛い母だった。
制服に着替え、朝ごはんは食べずに、悠姫は家を出た。
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