異世界に飛ばされたら。

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俺と愛田は必死で走っていた。そりゃもう必死で。凄い勢いで。 「逃げるぞ愛田ァァァ!!ここにいると何されるか分かったモンじゃねえ!!」 「いや、逃げてんじゃん。現在進行形で。逃げるのing形で。にげりんぐだよ。にげりんぐ。」 俺達はとにかく走った。さすがの俺も命の危険を感じたからだ。 「でもさ、ここって異世界なんでしょ?逃げるっつったって何処に逃げんの?」 「う・・・どっ・・・何処でもいい!とにかく走れ!」 その時、ガニメデさんが後ろから猛スピードで追ってきた。 「ちょっと待ってくださーい!」 「ヤベエ!もう追って来やがった!愛田!ここは二手に別れるぞ!」 愛田は嫌そーに。 「えーーーーーー。何でアタシが。やだよ。」 「いいから早くしろォォォ!!!」 「はいはーい。」 ハイは一回!と俺が言う暇も無く、愛田は廊下の突き当たりを俺と反対方向に走り去った。 さて、この小説の初めに銀河は『ちょっと違う所がある』と言った。 それをここで詳しく書こう。 まず髪型。 サイヤ人みたいな感じ。 有り得ないボリュームと形をしている。 次にパワー。 有り得ない程の怪力。 鉄腕アトムなんかと並ぶんじゃねーかって程。 そして頭脳は・・・ この先を読めば分かるだろう。 では本編再開。 俺は怪力なので足もかなり速かった。 ガニメデさんとの距離が百メートルぐらい離れた時、俺は走りながらクルっと振り向き、叫んだ。 「どーだ!俺の完璧な作戦は!!俺があまりにも天才的だからクラスの皆に『紙一重でアホの天才』って言われてんだぞ!!」 命名したのは愛田である。 そう。銀河は超絶バカなのだ。 英才教育を受けたオランウータンの方がまだ賢い。 その時、銀河が段差につまずいた。体が傾き・・・ 「ぐおお!?倒っ・・・れっ・・・・・てたまるかあああああ!!!」 逆立ちで走り出した。 しかもさっきと同じ、いや、それ以上のスピードで。その状態で銀河はまた叫んだ。 「どっ・・・どーだ俺の驚異的身体能力は!!俺があまりにも運動神経スゲーからクラスの皆に『脳ミソまで筋肉』って言われてんだぞ!!」 命名したのは愛田である。 しかし、それも長くは続かなかった。 グキッ 肩が外れた。
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