異世界に飛ばされたら。

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「離しなさい!離しなさいってば!!この岩!!岩!!」 私は宙に浮いていた。 正確にはゴーレムに片手で持ち上げられていた。 私は必死になってゴーレムの腕を振りほどこうともがく。 しかし。 身長が低いということは手足も短いというわけで。 手足が短いということはゴーレムに当たらないというわけで。 ゴーレムに当たらないということはダメージを加えていないというわけで。 ただただ体力が失われていくのでいい加減諦めた。 ゴーレムは私を片手で掴んだまま、のしのしと歩いた。 (あの二人・・・助けに来てくれないかな・・・) 頭に銀河と愛田がうかぶ。 (・・・来るわけないわよね・・・赤の他人が見ず知らずの人間を・・・) (別にいいわよ・・・きっと王宮の護衛がいつも通り助けに来てくれる・・・) 「・・・!!」 (・・・今日・・・護衛いないんだった・・・!!!!) 今日は敵国との戦争に護衛隊を駆り出していたんだった! じゃあ・・・ 助けは来ない・・・? 「オイ愛田!アイツどこ行ったか分かるか!?」 「分かる訳無いでしょーに!分かってんならとっくに追いついてるわよ!」 俺達走る走る。 「あ!分かれ道・・・」 「愛田!」 「何!?」 「二手に別れるぞ!!」 「えーまた?アンタそれ好きだねー。」 「他に無いだろうが!つべこべ言わずに右行け右!!」 「はいはい。」 「ハイは一回いい!!!!」
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