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「学園に住んでほしいの。」
イオちゃんが要点だけを話した。
「本当に要点だけだね。学園ってこの学園?」
床を指差して言う。
「そーよ。ここの学園には寮があるの。生徒は一人ひと部屋持ってて、そこで生活してるのよ。」
「結構広いのねー。でも何でアタシ達がここで生活するの?」
「それはアンタ・・・」
指二本で銀河とアタシを指した。
「私の護衛になってもらうからよ。」
すると銀河がゴロンと寝転がって言った。
「何で護衛なんだよ?俺達は救世主じゃないのか?」
「アンタねー・・・。」
イオちゃんが腰に手に当てて言う。
「そんなにしょっちゅう敵に襲われると思う?どこかのお話じゃあるまいし。」
「あ、そっかあ・・・。」
イオちゃんとガニメデさんが言うには、国が襲われる時には皆を護ってほしいがそれ以外の日はイオちゃんの護衛をしてほしいと言うのだ。
「俺は別にいいぞ。不便なく過ごせるなら。」
「アタシもいいわよ。自分の部屋をもらえるなんてステキ。」
その時、イオちゃんが一言。
「アンタ達の部屋は無いわよ。」
「「はい?」」
「アンタ達には私と同じ部屋に住んでもらうわ。もしもまた誘拐された時にすぐに助けられるでしょ?」
「・・・じゃあよ。」
銀河が口を開く。
「・・・そっちの展開とか」
「いーえ。」
銀河の言葉を遮る。
「アンタ達は私にこき使われると思うからそこんとこヨロシク。」
イオちゃんが親指を立てて言った。
銀河は目がテンになっていた。
アタシは銀河の肩に手を乗せて言った。
「世の中そんなに甘くないってことよ。」
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