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「・・・ここが異世界だってことはさっきの魔法を見て分かった。で、結局アンタは何をしたいんだ?俺達をこの世界に置いとくつもりか?」
「・・・はい。」
申し訳なさそうに、それでいて真剣に言う。
「あなた達には本当に申し訳ない事をしたと思っています。しかし、お二人の力がどうしても必要なのです!」
「・・・いい迷惑よ。」
「オイ、愛田・・・」
「勝手に連れて来られて、無理な注文されて。アタシ達の気にもなってみて下さい。」
ガニメデさんはうなだれている。
「アタシ達には家族がいるんですよ?学校も行って、勉強しなきゃいけないし。大体、高校生二人が行方不明になったら大事件ですよ?」
「勉強は・・・こちらの世界で・・・」
「そういう問題じゃないですよ!!」
「・・・」
「オイ愛田、その辺で・・・」
「この世界の常識狂ってるわ・・・信じらんない。」
「すみません・・・」
「・・・」
頭を下げるガニメデさんを、愛田は冷たく見下し・・・
「・・・やめた。」
「・・・はい?」
「気分。変わった。」
「はい?」
「ようし、アタシ救世主やる!」
「はいい!?」
愛田。
コイツは常に『その時の気分』で行動している。
「その性格のせいで何人の人間が振り回されたことか・・・」
「何か言った?」
「別に・・・」
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