1008人が本棚に入れています
本棚に追加
「ところでさ、さっきから思ってたんだけどさ。」
愛田が唇に人差し指をあてて、軽く首を傾げて言う。
「何でさ、アタシ達なの?」
「はい?」
「だからさ、何でアタシ達が世界を救うって分かるの?」
「ああ、それはですね。」
ガニメデさんは大きめの本を取り出し、俺達に見せた。
「この本に書いてあるのです。あなた達がこの世界を救う、と。」
「へー。凄いなあ。これってアレですか?王国に代々伝わる伝説の書・・・みたいなヤツですか?」
「おお、それだったら俺らスゲーよな。」
ヤバ。テンション上がってきた。
「いえ、女王様の幼い頃の絵日記です。」
・・・
「テメー!人を何だと思ってんだ!!」
両手をブンブン振って怒鳴る俺を必死に押さえ付ける愛田。
「落ち着け!もしかしたら魔法の本かもしれないでしょ!」
「そっ・・・そうだな。それだったら・・・」
「いえ、ふつーーの日記です。前国王が『中古で』買った・・・」
ぷっちーん。
「火に油だよ畜生!!何で中古なんだよ!!新品買えよ前国王ォォォ!!!」
もう口から火を吹く勢いでブチ切れた。てゆーか吹いた。軽く壁を焦がした。
「えい!」
愛田が俺の後頭部を殴る。
「ぶほおっ!!」
・・・俺はノリで血をはいて倒れた。
「あの・・・銀河さん大丈夫ですか?」
「大丈夫でしょ。死なない程度に殴りましたから。」
「・・・そうですか。あ、それでさっきの日記の話なんですが。実は女王様には予知能力があるのです。そして、幼いころに日記にあなた達がこの世界を救う、と書いてあったのです。」
「へー。さすが魔法の国。何でもアリだね。」
「そんな言い方やめて下さい。そんな軽く投げやりな言い方・・・」
最初のコメントを投稿しよう!