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3年1組には、喜々とした明るい雰囲気が漂っていた。
時刻はちょうどお昼時。
給食の時間だ。
みんな、男子も女子も机をくっつけあって、楽しそうに会話を楽しんでいる。
もしくは、無心で食い荒らしている。
しかし、そんな穏やかな昼下がり……。
出席番号2番、市橋 秀人(イチハシ シュウト)くんそのひとは、巨大な謎と対峙していた。
彼の手元には、1本の牛乳ビン。
中にはなみなみ入った乳白色の液体。
簡単に言えば「牛乳」が。
市橋 秀人くんは悩んでいた。
どうしても、この事態を回避せねばと、ご自慢の脳をフル回転させていた。
彼の悩む理由とはこれだ。
──牛乳をビンで飲んだ際、鼻の下を白くさせないためには、どうしたらよいか?
探偵・市橋 秀人くんの前に立ちはだかる、とてつもない難関であった。
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